2021年2月1日

「柔軟性」とはなにかご存知でしょうか?

スポーツの現場でしばしば耳にすることがある、「柔軟性」とは、具体的になにを指すのでしょうか。
実際にはあまり良く知られていないと思います。「柔軟性」という言葉の意味を正しく捉えずに使っている方もいるかもしれません。

本コラムでは、以下のように柔軟性について説明していきたいと思います。

  1. 柔軟性がスポーツをやる上で大切な理由
    • “ケガ予防“
    • “パフォーマンス向上”
    • “疲労回復につながる”
  2. 柔軟性はどうやって良くするの?
    • 反動はつけず、痛気持ちいいポイントで止める
    • 呼吸は止めない
    • 体が温まっている時にストレッチをする。
  3. 柔軟性を確認するためにすること

柔軟性とは?

柔軟性とは、「筋肉と腱が伸びる能力」のことで筋力・瞬発力・持久力・調整力とともに基本的な運動能力の1つとされています。

また、柔軟性は「骨格構造」と「軟部組織(筋組織・筋膜・腱・靱帯・関節包など)」によって決まります。
骨格構造は、先天的な要素が多く努力で変化しにくいですが、軟部組織は、変化させることが可能で、筋組織・筋膜・腱をターゲットに柔軟性を高める運動として「ストレッチング」や動的柔軟性の向上のための「動的ストレッチ」などがあります。

スポーツと柔軟性の関係性

柔軟性ってスポーツをやる上でなせ大切なの??

スポーツをおこなう上でなぜ「柔軟性」が大切か、それにはいくつか理由があります。
3つご紹介します。

 

1つめは、“ケガ予防“

体が柔らかいとなぜけが予防につながるのでしょうか。

近年柔軟性がたりないため怪我をするお子さまが増えています。

例えば、もも前(大腿四頭筋)・もも裏(ハムストリングス)の筋肉が硬いと骨盤・股関節の動きが制限されて、腰部に負担がかかります。その結果、筋肉由来の腰痛や疲労骨折・ヘルニアなどのケガに繋がります。

さらに、腕を上にあげるオーバーヘッド動作で肩回りが硬いと、腕を上にあげたいけど上げられないので代わりに腰を反って腕を上げます。その結果、腰に負担がかかりケガに繋がってしまいます。

また逆に、柔軟性があればいいというものでもありません。人間には正常可動域という動かせる範囲が決まっていて、その範囲を超えて動かしてしまうと関節などに負担が掛かり逆にケガのリスクは高くなってしまします。

各スポーツの競技特性によっても変わってきますが、ある程度の柔軟性はケガの予防にとても大切な役割なのです。

2つめは、“パフォーマンス向上”

実は柔軟性があるのと無いのではパフォーマンスに大きく影響してくるのです。

例えば・・・

  • ★サッカー
    敵のロングパスを途中で遮るために足を振り上げて、ボールをカット出来た。
  • ★テニスやバレーボールなど
    肩甲骨を柔らかく動かせることで威力あるスマッシュやサーブ・スパイクを打つことができた。

このように柔軟性があると体を自由自在に動かすことが出来るので自分の持っているパワー・スピードなどの力を最大限引き出すことが出来ます。

走る・跳ぶ・投げる・打つなどすべての動きで体の色々な部分を動かします。ですが柔軟性が足りないと動きがぎこちなくなったり、制限がかかってしまうので自分の能力を最大限活かせません。

ある一部の動きの制限が体全体に影響してしまうため、柔軟性はとても重要なポイントなのです。

3つめは、“疲労回復につながる”

体が柔らかいと血流の流れがよくなり疲労も回復しやすいです。

血管は筋肉の中を通っているため、筋肉が柔らかくなると、その中にある血管の血流はスムーズになります。
ですが筋肉が硬いと血管が圧迫されたり、筋肉の伸び縮んだりがあまり起こらず流れが悪くなります。すると筋肉は酸素や栄養不足になり疲労物質も除去できなくなってしまいます。

また柔らかい人は、体を動かせる範囲が広いので最小限の力で体を動かせますが、硬い人は動かせる範囲が狭いので柔らかい人と同じ動きをしても色々な部分を動かすことになりやわらかい人に比べて多くの労力がかかります。

1つめのケガ予防の話に繋がりますが、疲労が溜まると筋肉が硬くなりケガにも繋がってしまいます。
さらに血流が弱まることで脳へ送られる血液量が減り、集中力や判断力などの低下に繋がり危険回避が遅れ大きな事故につながったり学力にも影響が出てきやすいのです。

柔軟性はどうやって良くするの?

柔軟性を上げるためについて、少し紹介させていただきます。

一番効果的なのは、ストレッチや柔軟性を高めるエクササイズです。
ご自宅で行う場合は、簡単に出来る静的ストレッチがおススメです。

ポイントとして、

1、反動はつけず、痛気持ちいいポイントで止める

→弾みをつけてしまうと別のストレッチになってしまい、弾みをつけることで変に外力が加わり逆にケガをしてしまう可能性があります。

2、呼吸は止めない

→呼吸を止めてしまうと体が緊張してしまうのでスムーズに体が伸びずリラックスが出来ません。なので自然な呼吸又は、秒数で呼吸(3″吸って3″で吐きながら伸ばしていくなど)を心がけてください。

※1にも繋がりますが、無理に伸ばしてしまうと呼吸が止まってしまうので痛気持ちいいポイントで止めます。

3、体が温まっている時にストレッチをする。

→筋肉には、粘性があり体が温まっている時は粘性が弱まります。

お風呂上りにストレッチすると良いを聞いたことがあるかもしれませんが、それは上記のことが理由です。

お風呂上りや運動後など体が温まっているときにゆっくり伸ばしてあげるのがおススメです。

まとめ

柔軟性は、残念ながら1回やっただけではよくなりません・・・

また、やり方が違ったりただストレッチをやっているだけでは変化がなく時間がもったいないです。

『ストレッチ=痛い・やっても意味がない』となってしまうとやりたくないのですが、『ストレッチ=痛くない・変わってきた』と実感できると意識的にできるようになります。

なので、ストレッチも正しいやり方で毎日継続がとても大切なのです。

スポーツをされていない方でも柔軟性は大切ですが、今回はスポーツに関連したお話しをさせていただきました。